小川洋子「猫を抱いて象と泳ぐ」(ネタバレ) [レビュー]
これは、ほとんど手がかりのない伝説のチェスプレイヤーの生涯を丹念に調査した伝記です。………
と、言いたいくらいにリアルな話だった。
リトル・アリョーヒンは実在するのだろうかと、あちこち検索し、フィクションだと再認識し。
それでも、リトル・アリョーヒンはやっぱり実在していたんじゃないかと思える作品だった。
小川さん独特の透明感のある文章。
一枚ヴェールをへだてた向こうに見える世界は、相変わらず美しい。
その世界で優しい人々が、静かに苦難に耐え、それぞれの別れと相対している。
それが切なくて、読みながらなんども泣けてきてしまった。
さて、この登場人物達はそれぞれ閉じこめられている。
その閉じこめられた中で、それぞれの人生を生きている。
閉じこめられたその中こそ、最も自由な場所であるというのは皮肉だ。
主人公のリトル・アリョーヒンは、チェス人形の窮屈な空間の中、
心だけは自由になりチェスの海を泳ぐ。
マスターは、リトル・アリョーヒンにチェスを通じて自分の哲学を教える。
リトル・アリョーヒンが、マスターのことを吸収していくのとは対照的に、
マスターは住処であるバスから出られなくなっていく。
自由になればなるほど、閉ざされていく過程が哀しい。
リトル・アリョーヒンの最後の試合は、手紙で行われた。
一手一手を重ねるごとに、対戦相手であるミイラとのあいだの理解を深める。
そして、彼は、その試合に勝つ。
彼が勝つことで、リトル・アリョーヒンもミイラも、お互いに大事なものを手に入れられるはずだったのに。
残念ながら、間に合わないのだ。
「猫を抱いて象と泳ぐ」この話は好きだ。
心の奥底で、懐かしい何かが疼く。そんなせつなさを呼び覚ましてくれる。
でも、せつなすぎる。
物語は、ハッピーエンドのほうがいいのかもしれない。
と、言いたいくらいにリアルな話だった。
リトル・アリョーヒンは実在するのだろうかと、あちこち検索し、フィクションだと再認識し。
それでも、リトル・アリョーヒンはやっぱり実在していたんじゃないかと思える作品だった。
小川さん独特の透明感のある文章。
一枚ヴェールをへだてた向こうに見える世界は、相変わらず美しい。
その世界で優しい人々が、静かに苦難に耐え、それぞれの別れと相対している。
それが切なくて、読みながらなんども泣けてきてしまった。
さて、この登場人物達はそれぞれ閉じこめられている。
その閉じこめられた中で、それぞれの人生を生きている。
閉じこめられたその中こそ、最も自由な場所であるというのは皮肉だ。
主人公のリトル・アリョーヒンは、チェス人形の窮屈な空間の中、
心だけは自由になりチェスの海を泳ぐ。
マスターは、リトル・アリョーヒンにチェスを通じて自分の哲学を教える。
リトル・アリョーヒンが、マスターのことを吸収していくのとは対照的に、
マスターは住処であるバスから出られなくなっていく。
自由になればなるほど、閉ざされていく過程が哀しい。
リトル・アリョーヒンの最後の試合は、手紙で行われた。
一手一手を重ねるごとに、対戦相手であるミイラとのあいだの理解を深める。
そして、彼は、その試合に勝つ。
彼が勝つことで、リトル・アリョーヒンもミイラも、お互いに大事なものを手に入れられるはずだったのに。
残念ながら、間に合わないのだ。
「猫を抱いて象と泳ぐ」この話は好きだ。
心の奥底で、懐かしい何かが疼く。そんなせつなさを呼び覚ましてくれる。
でも、せつなすぎる。
物語は、ハッピーエンドのほうがいいのかもしれない。
2009-06-10 21:53
nice!(0)
コメント(0)








コメント 0